先に結論:よもぎ蒸しで自律神経が整う、と確かめた研究は、当店が調べた範囲では見つけられていません。
- よもぎ蒸しの研究:よもぎ蒸しをしたあとに、自律神経の状態を測って比べた研究は、見つかりませんでした
- 温める研究:サウナに入ったあと、休んでいる間に、体を休める側の神経の目安が上がったという報告があります。ただし1回だけの測定で、比べる人もいない研究です
- 言えないこと:「整わない」とも言えません。まだ分かっていない、という状態です
- あなたの体験:温かくて、ほっとした感覚は、本当の体験です
当店は、よもぎ蒸しを売る側です。だからこそ、この説明を研究で確かめられるかどうかを調べました。
結果から言うと、よもぎ蒸しそのもので確かめた研究は、見つけられていません。そのうえで、温める研究で分かっていることと、分かっていないことを、分けてお伝えします。
「自律神経が整う」って、何を指すの?
自律神経は、心臓の動きや汗、体温などを、意識しなくても調整している神経です。大きく分けると、体を動かす側(交感神経)と、体を休める側(副交感神経)があります。
「整う」は、医学の言葉ではありません。研究で自律神経の状態を見るときは、心拍のゆらぎ(心拍変動)という目安を測ることがよくあります。心臓の拍と拍の間隔が、少しずつ揺れている様子から、どちらの神経が強く働いているかを推し量る方法です。
つまり:「整うかどうか」を確かめるには、よもぎ蒸しの前後で、こうした目安を測って比べる必要があります。
よもぎ蒸しの研究は、あるの?
当店は2026年9月に、PubMed・CiNii Research・J-STAGEと、韓国語の資料で、よもぎ蒸しの研究を探しました(詳しくはホンマでっかの発言と論文を調べた記事にまとめています)。見つかったのは、次の種類です。
- 人を対象に効果を比べた研究:1件(ヨモギを燃やした煙を使う方法で、月経痛を調べたもの)
- 利用者へのアンケート:1件
- やけどの症例報告:1件
- 習慣や受け止め方を調べた研究:2件
自律神経を測った研究は、この中にありませんでした。10月にも、よもぎ蒸しと自律神経・心拍変動の組み合わせで探しましたが、見つけられていません。
ですので当店は、「よもぎ蒸しで自律神経が整う」とはご案内していません。これは「整わない」と確かめたという意味ではなく、まだ分かっていないという意味です。
温める研究では、何が分かっているの?
よもぎ蒸しではなく、サウナや入浴など「体を温めること」一般の研究には、自律神経にふれたものがあります。
サウナと心拍のゆらぎ(フィンランド・2019年)
心臓や血管の病気のリスクがある93人が、乾いたサウナ(73℃・30分)に1回入り、その前・最中・あとで心拍のゆらぎを測りました。
・サウナに入っている間は、体を休める側の神経の目安が、一時的に下がりました
・出たあと30分休んでいる間に、体を休める側の目安が上がりました
・安静時の心拍数は、入る前の1分あたり77回から、休んだあと68回に下がりました
ただし:1回だけの測定で、サウナに入らない人と比べてはいません。研究者自身も、長く続けたときの影響を確かめるには、比べる研究が必要だと書いています。
ほかにも、温める習慣を続けた研究をまとめた2025年の解析では、20件の比較試験で、血管の働き・心拍・血糖など、調べた多くの項目で、全体としてはっきりした改善は確認されませんでした。寝る前の入浴が寝つきを助ける可能性は、別の研究のまとめで報告されています(体を温めるメリットの記事で詳しく書いています)。
つまり:温めたあとに、体が休む方向へ動く様子は、サウナでは観察されています。けれど、それが続くのか、体調がよくなるのかまでは、分かっていません。
サウナの研究を、よもぎ蒸しにあてはめられる?
そのままは、あてはめられません。理由は3つです。
- 温め方が違う:研究は乾いた高温のサウナです。よもぎ蒸しは、薬草を煮出した湿った蒸気で、温まり方が違います
- 測った人が違う:研究の対象は、心臓や血管の病気のリスクがある中年の男女でした
- よもぎや薬草の働きは、測られていない:香りや成分が自律神経にどう関わるかは、この研究では分かりません
当店は、温熱一般の研究を「よもぎ蒸しの効果」として書くことはしません。数字や説明の出どころをたどったよもぎ蒸しでよく聞く8つの説明の確認も、同じ考え方でまとめています。
それでも、ほっとする時間をどう使う?
研究で確かめられていなくても、温かい蒸気の中で、何もしないで座る時間を、心地よいと感じる方はいます。その感覚まで、否定する材料はありません。
所長の記録(1人の感覚です)
所長は、よもぎ蒸しを始める前、寝つけない、夜中に目が覚める、なんとなくだるい、という日が続いていました。始めて1週間ほどで、夜中に目が覚める回数が減ってきた気がして、今は、こうした日はほとんどなくなりました(時期ごとの記録はよもぎ蒸しを続けた結果の記事に書いています)。
同じ時期に、よもぎ蒸し以外で大きく変えたことは、特に思い当たりません。それでも、季節や年齢など、気づかない変化が重なっていた可能性はあり、よもぎ蒸しだけのおかげとは言い切れません。同じことが誰にでも起きるとも言えません。
使うときは、次のことを大切にしてください。
- 体調のよい日に、短めの時間から始める
- 気分が悪い、くらくらするなど、いつもと違うときは、すぐにやめる
- 水分をとる
- 眠れない、気分が落ち込むなどが続くときは、よもぎ蒸しで様子を見ず、医療機関に相談する
「整えるため」ではなく、「温かくて、ほっとする時間がほしいから」使う。当店は、そのくらいの位置づけをおすすめしています。
よくある質問
確認した資料
2026年10月15日に確認しました。いずれも、よもぎ蒸しを直接調べた研究ではありません。
- Laukkanen T, et al. Recovery from sauna bathing favorably modulates cardiac autonomic nervous system. Complementary Therapies in Medicine. 2019;45:190-197. DOI: 10.1016/j.ctim.2019.06.011
- Hamaya R, et al. Non-acute effects of passive heating interventions on cardiometabolic risk and vascular health: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. 2025. PubMed(PMID: 41049507)
- Haghayegh S, et al. Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2019. PubMed(PMID: 31102877)
- 日本自律神経学会誌「冷え性と自律神経」 J-STAGE
説明より、まず自分の体で
心地よいかどうかは、読んでも分かりません。自宅で10日間、準備や片付けまで含めて試せます。合わなければ、購入しない判断で大丈夫です。
ほかの疑問はよもぎ蒸しのよくある質問、寝る前の使い方はよもぎ蒸しと睡眠の記事をご覧ください。